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アルブレヒト・デューラー「祈る手」

数日前からサロンへの引っ越しが始まりました。
建物の半分はまだ工事中ですが、少しずつ仕事と導信活動の拠点を移していきます。

VOICE収録スタジオもセッティング完了です。
書斎兼スタジオには「十字架」とアルブレヒト・デューラー「祈る手」が掛けられています。

「祈る手」を知らない方の為に簡単にこの絵のストーリーをご紹介します。

アルブレヒト・デューラー「祈る手」
1509年

アルブレヒトと友人のハンスは、ドイツのニュルンベルクで暮らしていた。若い二人は、とても絵が好きでいつかは本格的に学びたいと夢を持っていた。ただ、貧しい二人にはそれはとても遠い夢であった。

ある日のことハンスは提案します。どちらかが先に勉強して、もう片方が働いて支えるというのはどうか。先に勉強を終えた者が今度は働いてもう一人を支えるというものです。アルブレヒトも賛成するのですが、どちらが先に絵を勉強するか、お互いにゆずりあってまとまらない。
そこでハンスが、アルブレヒトに提案した。「お前の方が絵が上手だから早く勉強が終わるだろう。だから先に勉強してくれ。おれが働いて支えるから。」
ハンスの提案を感謝して受けて、アルブレヒトは絵の勉強のためイタリアのベネチアに留学します。

1年が経ち、2年が経ってもなかなか終わりにできませんでした。
ハンスからはいつも、気にせず納得するまで学んでくれ、と手紙がきて学費を支えてくれました。
やがて数年経って、アルブレヒト・デューラーはベネチアでも高い評価を得るようになって、ニュルンベルクに帰ります。

久しぶりに再会したアルブレヒトは、ショックを受けました。
それは、ハンスの手が働きすぎで、とても絵筆を握れない手になっていたからです。ハンスは少しでも多く稼いで支えようと、鉄工所で重いハンマーを握って働いていた。

アルブレヒトは心が痛みました。ある日、アルブレヒトは、ハンスの部屋に入ろうとして、ハンスが祈っている祈りを聞くのです。
「アルブレヒトはわたしのことをとても気にしています。どうか、アルブレヒトが自分を責ないように。彼が、わたしの分も夢をかなえてくれますように。」

心を打たれたアルブレヒトが、どうかハンス、君の手を描かせてほしい。といって描いたのが、「祈る手」です。ハンスの手には、鉄工所で働いたあとがあります。指がすっと伸びないので手をぴったり合わすことができないのです。
その絵を見ながら私は、主イエスの「祈る手」を、主イエスの祈る姿を思いうかべました。ハンスの手には、鉄工所で働いたあとがあって、指がすっと伸びないので手をぴったり合わすことができない。それ以上に主イエスの手にも、明らかな傷跡があるのです。
私どものために十字架に命を献げてくださった釘の跡です。

いかがでしょうか。

私もハンスのように生きられるだろうか。
この絵を見ながら、小さな自分と大きな志しを感じる毎日です。

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